地下水(井戸水)浄化:膜ろ過と砂ろ過の比較
この記事では、地下水(井戸水)の浄化に使用するろ過装置について、膜ろ過と砂ろ過の違いについてご紹介いたします。
目次
- 膜ろ過とは
- 膜ろ過とは何か?
- 膜ろ過の種類
- 膜ろ過の利点
- 膜ろ過の欠点
- 砂ろ過とは
- 砂ろ過とは何か?
- 砂ろ過の種類
- 砂ろ過の利点
- 砂ろ過の欠点
- 膜ろ過と砂ろ過、迷ったら
- コスト面での優位性
- 操作のシンプルさ
- 耐久性と信頼性
- 環境への配慮
- 高い処理能力
- まとめ
▣ 膜ろ過とは
▣ 膜ろ過とは何か?
膜ろ過(メンブレンろか)とは、半透膜の特性を利用して水中の不純物を除去する方法です。半透膜は、小さな孔を持つ薄い膜であり、水分子は通過できる一方で、微小な汚れや細菌、ウイルスなどは通過できません。これにより、清浄な水を得ることができます。
▣ 膜ろ過の種類
1. 微細ろ過(MF: Microfiltration)
微細ろ過は、孔径が0.1~10マイクロメートル程度の膜を使用します。この方法では、細菌や一部の大きなウイルス、浮遊物質を効果的に除去できます。主に、飲料水の処理や食品・飲料の製造に利用されます。
2. 限外ろ過(UF: Ultrafiltration)
限外ろ過は、孔径が0.01~0.1マイクロメートル程度の膜を使用します。微細ろ過よりもさらに小さな粒子や微生物、ウイルスを除去できます。飲料水の製造や医療用水の処理に広く使用されています。
3. ナノろ過(NF: Nanofiltration)
ナノろ過は、孔径が0.001~0.01マイクロメートル程度の膜を使用します。特定のイオンや有機物も除去でき、水の硬度を調整する目的で使用されます。飲料水の軟化や産業用水の処理に利用されます。
4. 逆浸透膜ろ過(RO: Reverse Osmosis)
逆浸透膜ろ過は、孔径が0.0001マイクロメートル程度の非常に細かい膜を使用します。水中のほとんどの溶解性物質、有機物、微生物、ウイルスを除去できます。海水の淡水化や超純水の製造に使用されます。
▣ 膜ろ過の利点
膜ろ過は高度な浄化能力を持っており、微小な粒子や微生物、有機物を効率的に除去することができます。また、膜ろ過装置は比較的小型であり、設置スペースを取らないため、コンパクトな設置が可能です。さらに、飲料水、医療用水、産業用水など多様な用途に対応できる広範な適用範囲があるため、さまざまな分野で利用されています。
▣ 膜ろ過の欠点
膜ろ過は膜の材料費や運用コストが高いため、高コストが一つの大きな課題です。また、膜の寿命が限られており、定期的な交換が必要です。これは、膜の劣化によるものです。さらに、膜ろ過の取り扱いやメンテナンスには専門的な知識が必要であるため、技術的な専門知識が求められます。
▣ 砂ろ過とは
▣ 砂ろ過とは何か?
砂ろ過は、自然の力を活かして水を浄化するシンプルかつ効果的な方法です。飲料水の製造から工業用水の処理まで、幅広い分野で活用されています。ろ過砂として一般的に使用されるのは、球状の珪砂やアンソライトなどで、これらの材質や粒子サイズがろ過性能に大きく影響します。これにより、水中の浮遊物質や有機物、窒素、リンなどの不純物を効果的に除去し、濁りや汚れを取り除きます。
▣ 砂ろ過の種類
砂ろ過には、緩速ろ過と急速ろ過という2つの主要な方式があり、求められる水質やろ過の程度に応じて使い分けられます。特に、ろ過砂の粒子の大きさや材質、さらにはその濁り除去能力が、ろ過装置の性能に大きな影響を与えます。ろ過過程では、ろ過砂の粒子が水中の微小な汚れを捕捉し、さらにフィルターが追加の浄化を行います。
1. 緩速ろ過
緩速ろ過は、比較的ゆっくりと水を砂層に通過させる方法で、浮遊物質や有機物の効果的な除去が期待できます。この方法は主に飲料水の処理に利用されます。
2. 急速ろ過
急速ろ過は、より高速で水を通過させる方法で、大量の水を短時間で処理することができます。主に工業用水や排水処理に利用されます。
▣ 砂ろ過の利点
砂ろ過は初期投資や運用コストが比較的低いため、コスト効率に優れており、予算が限られた施設でも導入しやすいことが利点としてあげられます。専門的な知識やスキルがなくても運用が可能で、メンテナンスも比較的簡単である他、ろ過砂は長持ちし、頻繁な交換が不要です。ろ過装置自体も長期間安定した性能を発揮するため、耐久性と信頼性が高いです。また、砂ろ過は天然素材を使用しているため、環境への負荷が少なく、持続可能な技術として評価されています。大量の水を効率的に処理することができるため、高い処理能力を持ち、大規模な施設でも効果的に利用されています。このように、砂ろ過はコスト効率、操作のシンプルさ、耐久性と信頼性、環境配慮、高い処理能力の面で多くの利点を持っています。
▣ 砂ろ過の欠点
砂ろ過は、膜ろ過に比べてろ過速度が遅いため、高速な処理が求められる場合には適していません。また、適切なメンテナンスを怠ると、処理能力が低下する可能性があります。砂ろ過装置は比較的大型であり、設置スペースが必要となるため、都市部やスペースの限られた場所では導入が難しいことがあります。
▣ 膜ろ過と砂ろ過、迷ったら
膜ろ過と砂ろ過は、それぞれ異なる特性と利点を持つ水処理技術ですが、以下の利点から、砂ろ過を使用したろ過装置を推奨しています。
▣ コスト面での優位性
砂ろ過は、膜ろ過に比べて初期投資コストや運用コストが低い傾向にあります。設備の設置や維持管理が比較的容易で、特別な技術や高価な装置を必要としません。これにより、予算が限られた地方自治体や小規模な施設でも導入しやすいです。
▣ 操作のシンプルさ
砂ろ過の操作は比較的シンプルで、専門的な知識やスキルを必要としないため、運用が容易です。膜ろ過は膜の詰まりや破損を防ぐための高い技術と定期的なメンテナンスが必要ですが、砂ろ過はそれほど手間がかかりません。
▣ 耐久性と信頼性
砂ろ過装置は、長期間にわたって安定した性能を発揮しやすいです。膜ろ過は膜の寿命が短く、定期的な交換が必要ですが、砂ろ過のろ材は比較的長持ちします。これにより、運用コストが低減されます。
▣ 環境への配慮
砂ろ過は、環境にやさしい技術とされています。ろ過砂は天然素材であり、再利用が可能です。一方、膜ろ過は合成素材の膜を使用しており、交換時に廃棄物が発生することがあります。
▣ 高い処理能力
砂ろ過は、大量の水を処理することができるため、大規模な施設でも効果的に運用できます。特に、ろ過砂の種類や粒子の大きさを工夫することで、異なる水質や条件に対応する柔軟性があります。
これらの点から、砂ろ過はコストパフォーマンスや操作性の面で優れており、広く普及しています。ただし、膜ろ過には高度な浄化能力や特定の汚染物質の除去において優れた点もあるため、用途や状況に応じて最適な技術を選択することが重要です。
▣ まとめ
本記事では、地下水(井戸水)の浄化技術について、膜ろ過と砂ろ過の違いを説明しました。
今回のポイントをまとめると、次の通りです。
- 膜ろ過とは、半透膜の特性を利用して水中の不純物を除去する方法
- 砂ろ過とは、ろ過砂を使用して自然の力で不純物を除去し、濁りや汚れを取り除く方法
- 砂ろ過はコストパフォーマンスや操作性の面で、膜ろ過よりも優れている
- 用途や状況に応じて、膜ろ過と砂ろ過を選択することが重要
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